請願元年の2号

「国の補助金対象である交通基本法にもとづいて

乗合タクシーの早期実現を求める請願」にたいする賛成討論

 

 

 全国各地で高齢者の運転ミスによる交通事故があとをたたず、大きな社会問題となっています。

市内の高齢者からも、「明日は我が身かも。でも、免許証を返納したら買い物にも、病院にも行けなくなる」 「ほんとは運転したくない。仕方がなく車に乗っている」など、高齢者が車を手放したあと、充分な受け皿がないために車を手放せない実情があります。本市の高齢化率は30%。生活の足への保障は切実です。

 平成29年10月からはじまった本市の「高齢者外出支援タクシー制度」の利用状況は免許証を持っていない高齢者7000人に対し1799人の利用で25.7%、市全体でも利用は1/4にとどまり、南地域の利用は3.8%と低く、利用している地域と利用できない地域の差は依然として開いています。市内一律の500円の助成は、住んでいる場所による負担額の差があり、高くて利用ができない市民を置き去りにしたタクシー運行・事業となっています。このままでは暮らしていけないという切実な市民の声に早急な見直しが求められています。

 

交通弱者、移動困難者の移動を保障する交通政策基本法は、第2条で「交通に関する施策の推進は、交通が、国民の自立した日常生活及び社会生活の確保を実現する機能を有するものであり、交通に対する基本的な需要が適切に充足されることが重要であるという基本的認識の下に行われなければならない」とし、3条では地方自治体の責務を求めています。この立場に立ち、すべての交通弱者に対応する施策にすべきです。

 

市が実施している高齢者福祉タクシー制度は、国の補助対象の事業ではないため、市の負担は2239万6000円となっていますが、隣の東金市は国の補助を活用しているため1279万8900円と本市の約半分の負担で、年齢に制限なく市内均一の400円で利用者に喜ばれています。国の補助制度を活用すれば、市の負担も軽減できる「乗り合いタクシー」が実現できます。市内どこに住んでいても低料金で、年令に制限なく、誰もが利用できる制度にすることが必要です。

 

ところが、委員長報告は趣旨採択です。とりあえず趣旨を理解したが、執行側に責任をもって実行させていくために採択するというものではありません。これでは「国の補助金対象である交通基本法にもとづいて乗合タクシーの早期実現を求める請願」に対してこたえるものではなく、早期実現を先伸ばしするものであり、到底賛成できません。

 

市民の切実な願いをしっかり受けとめ一日も早く実現するためにこの請願に賛成するものです。