発議案

国民健康保険税引き下げへ国の対応を求める意見書(案)

 

国民の約4人に1人、本市では約3人に1人が加入している国民健康保険について、保険税が高すぎて「とても払いきれない」との悲鳴が上がっている。

 

保険税の滞納世帯は、全国の全加入世帯の15%を超え、本市では21・3%が滞納世帯になっている。そのことにより、無保険や正規の保険証を取り上げられるなど、生活が困窮している上、病気やけがでも医療機関にかかれない事態も起きており、国民健康保険制度の根幹が揺らいでいる。

 

 全国知事会、全国市長会、全国町村会など地方団体は、「国保を持続可能とする」ために、国民健康保険の定率国庫負担の増額を政府に要望し続けており、公費を1兆円投入して国民健康保険を「協会けんぽ」並みの負担率にするよう求めていることは重要である。

 

 政府も、国民健康保険は被保険者に低所得者が多く、事業主負担がないため、相当の国庫負担が必要だと認めていたものである。国民健康保険の構造的危機を打開し、公的医療保険としての国民健康保険制度を立て直すためにも、国庫負担の増額とともに真に「持続可能」な制度への見直しが必要である。

 

よって、本市議会は国に対し、下記の事項を強く要望するものである。

 

 

1、「少子化対策」に反し、子供の数が多いほど保険料(税)が引き上がる「均等割」を廃止し、所得に応じた保険料(税)に改正すること。

2、保険料(税)を「協会けんぽ」の保険料並みに引き下げるため、国庫支出金を抜本的に増額すること。

3、保険料(税)の「一時的・臨時的」な国の減免制度を、一定水準以下の所得世帯を「恒常的」に減免する制度に改正すること。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 


消費税10%の増税中止を求める意見書 (案)

 

安倍首相は10月15日の臨時閣議で、来年10月1日から消費税率を10%に引き上げることを表明し、あわせて景気対策として、軽減税率の導入による飲食料品の8%据え置き、小売店へのポイント還元、幼児教育の無償化等実施するとしていますが、抜本的な対策にはなりえない。いまの経済状況の下で消費税増税を強行すれば、消費不況を深刻化させ、貧困と格差を拡大し、経済全体に重大な影響をもたらすことは明かである。

 

「消費税増税は社会保障のため」と説明してきたが、財務省は10月9日の財政審への「提言」で、社会保障の充実どころか、さらなる削減・負担増路線を打ち出し、消費税増税の説明は成り立たない。

 

この30年間で国民が払った消費税の総額は約349兆円、これに対し法人3税の減収は約280兆円。消費税は大企業減税の穴埋めに充てられてきたというのが実態である。さらに、日本経済団体連合会は法人税の更なる引下げを求めており、消費税が国民のくらしを守る役割を果たしえないことは明かである。

 

消費税そのものが、低所得者に負担が重くのしかかり、事業者にとっては消費税を商品の価格に転嫁できなくても課税され、経営が赤字であっても納税義務が生じるものである。消費税が「弱い者いじめ」の税金である以上どのような対策を講じても、増税したことによる欠陥を補うことはできない。最善の景気対策は、消費税を増税しないことである。

 

よって、国におかれては、国民の暮らしと経済に重大な打撃を与える消費税の増税を中止されるよう強く要望するものである。

 

以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する

 

 

 


発議案第3号

「国民健康保険税引き下げへ」

国の対応を求める意見書提出について賛成討論

 

 

高すぎる国民健康保険税に市民から悲鳴があがっています。全国の滞納世帯は289万世帯、全加入世帯の15%ですが、本市では21.3%となっており、滞納に追い込まれた国保加入者に待っているのは、保険証の未交付と情け容赦ない差し押さえです。今年6月末の滞納世帯の54.4%は正規の保険証が発行されておらず、29年度の差押えは30.3%にもなっています。負担能力を超える保険料を払えずに保険証を失い、必要な医療も受けられない。こんな事態をいつまでも続けることは許されません。

 

払い切れない国保税は、住民の暮らしを苦しめているだけではなく、国民健康保険制度の根幹をも揺るがしています。全国知事会・市長会・町村会など地方団体は、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、「国保を持続可能とする」ためには「被用者保険との格差を縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要」と主張しています。日本医師会などの医療関係者も、国民皆保険制度を守るために、低所得者の保険税を引き下げ、保険証の取り上げをやめるよう求めています。

 

国保加入者の一人当たりの平均保険料は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準です。国民皆保険制度の重要な柱を担うべき国保が、他の医療保険制度に比べて著しく不公平で、庶民にたいへん重い負担を強いる制度になっています。

 

平成29年度の本市における1人当たりの調定額は10万2578円。県下一高い国保税となっています。高すぎる保険税問題を解決することは、住民の暮らしと健康を守るためにも、国保制度の持続可能性にとっても、社会の公平・公正を確保するうえでも、重要な政治課題です。

 

 国保税が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなっている大きな要因に、国保にしかない「均等割」「平等割」という保険料算定があります。「資産割」「平等割」は、自治体の判断で導入しないことも可能ですが、「均等割」は、法律で必ず徴収することが義務づけられています。

 

本市の国保税の「均等割」は、23000円です。低所得者には一定の減額があるものの、子どもの数が多いほど国保税は引き上がる「均等割」には、「子育て支援に逆行している」という批判の声があがっています。国保税が低所得者や家族が多い世帯に重い負担となっている均等割りをなくし、所得に応じた保険税にしていくことが必要です。

 

 全国で均等割・平等割として徴収されている保険税額は、およそ1兆円です。公費を1兆円投入すれば、均等割・平等割をなくすことができ、多くの自治体では、協会けんぽ並みの保険税にすることができます。全国知事会・市長会・町村長会も、国保の定率国庫負担の増額を政府に要望し続けており、2014年には、公費を1兆円投入して、協会けんぽ並みの負担率にすることを政府・与党に求めています。

 

 現行の国保制度には、災害などで所得が激減した人の保険料を「一時的・臨時的」に免除する仕組みはありますが、常設の免除制度はありません。『一時的に困った人は助けるけれど、ずっと困っている人は助けない』という矛盾した制度になっています。こうした制度のもと、所得が生活保護基準を下回る人に重い保険料(税)が課されたり、所得が保護基準をギリギリ上回る「境界層」が、国保料や税を払うことで所得が保護基準以下となるケースが全国で発生しています。地震・津波・集中豪雨などの災害の被害者も、国保料や税の免除が「いつ打ち切られるかわからない」状況が大きな不安となっています。

 

 ドイツやフランスでは、所得が一定基準を下回り、医療保険料の負担が困難とみなされる人は、保険料を免除し、国庫でその財政を補う制度が整備されています。貧困と格差が広がる日本でこそ、生活に困窮する人の国保料(税)を免除する仕組みが求められています。

 

国民健康保険の構造的危機を打開し、公的医療保険としての国民健康保険制度を立て直すためにも、国庫負担の増額とともに真に「持続可能」な制度とするために、本意見書が採択されますよう議員各位のご賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。