議案第3号

市会計年度任用職員の給与及び 費用弁償に関する条例の制定について反対討論

 この条例制定は、地方公務員法及び地方自治法の一部改正にともない、地方自治体で働く臨時・非常勤職員を一年任用の「会計年度任用職員」に移すためのものです。

 すでに国から三位一体改革等による地方財政への圧迫や、正規職員の定数削減を迫られるなかで、地方自治体の臨時・非常勤職員を急増させてきました。

 本市の臨時職員は279人。来年度からの会計年度任用への移行は、フルタイム職員48名、パート職員231名となり、市職員は正規職員と再任用職員24名を含め850名で、会計年度任用職員と再任用職員は32.8%と約1/3を占めることになります。非常勤職員の正規化、正職員の定員拡大など根本的な対策はありません。

 今回の改正には、期末手当の支給や育児休暇などこれまでになかった前進の内容も含まれていますが、会計年度任用職員は「いつまでも非正規雇用」「いつでも雇止め可能」「生活できる賃金が保障されない」など多くの問題とともに、会計年度ごとの任用と雇い止めを、自治体の判断でできるようにしたことは、地方公務員法の「無期限任用の原則」を崩すことにつながります。

 本来、地方自治体は住民の福祉と暮らしの増進に寄与するものであり、恒常的かつ専門性が求められ、「公務の運営は任期の定めのない常勤職員を中心とする」という大原則がありますが、今回の方改正によりフルタイムの非正規職員の存在が正面から認められたことになります。総務省の「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」の報告で、今回の常勤と非常勤の概念について、常勤職は「本格的業務」であり「典型的には、組織の管理・運営自体に関する業務や、財産の差押え、許認可といった権力的業務などが想定される」としています。このことは、正規職員の定員削減、非常勤職員を増やし安上がりの行政をすすめることが可能となるということです。継続性・専門性・地域性が求められる自治体職員の働き方が大きく変わろうとしています。

 住民の安全・安心の暮らしを支えるために、「任期の定めのない常勤職員を中心とした公務運営」の原則を堅持すること、また、恒常的業務を担う保育士など非正規職員の正規化を図っていくこと、さらに、非正規職員の雇用安定、待遇改善こそ重要であることを指摘し反対するものです。